会社員を辞めてスタジオ運営を始めてから3年目。
スタート当初から比べればそれなりに良くなってきたことも多くありますが、「軌道に乗った」というにはまだまだ程遠いです。
最近、ふと思うのは、スタジオ開始当初のこと。
あのときはあのときでそれなりに一生懸命にやっていたけれど、やっぱりいろいろな部分で甘かったな、と振り返っています。
とくに、当時の気持ちを振り返ると、心のどこかでは「あぁ、完全なる淡い期待だけで過ごしていた」と思うわけです。
スタジオを始めるにあたって、政策金融公庫から300万の借入をしました。足りなかった初期投資プラス運転資金半年分。
いまは広告宣伝の予算はゼロですが、当時はそれなりに力を入れようと考えていて、それも含めた運転資金です。
ちなみ私は財務や経理の経歴が長く、事業計画書の作成は得意分野です。そして割と”辛め”な数字で事業計画を作成していました。
しかし、いまはその”辛め”のラインすらまだ達成できていない。
計画書上ではとっくに倒れているはずの事業ですが、なんやかんやと”続ける状態を維持”しています。
オープン前の2016年5月中旬から、プレオープンと称して何日間か「無料体験」を実施しました。自分やインストラクターの知人・友人がメインだったこともあり、それなりに人数も集まりレッスン内容も好評でした。
そして6月にスタート。その月末には「これはいかん」とすぐに感じました。「このペースでの集客では全くダメだ」と思い、とにかく集客せねばと7月・8月と必死に動いていました。
それと同時に8月末には、区の創業融資相談窓口に行って追加の融資を受けられないかという相談を持ち込みました。
9月中に相談員の方と相談を重ねて、10月には融資を受けられました。希望どおりの満額融資にはならなかったため、その融資とて、すぐに底を尽くような金額です。でも、無いよりマシ。
ここまでの行動を振り返って思うのは、「早めに行動できて良かった」というよりも「早めに行動できたのはなぜ?」ということ。
たぶん心のどこかで「最初からうまくいくはずがない」と思っていたからだと思います。
「やってみなければ分からない」ということももちろん多いと思うけれど、私はどこかでうまくいく期待よりも、うまく行かない現実を分かっていたのだと思う。
会社員の経歴を活かした事業じゃない
既にお客さんがついているわけではない
立地も含めて経験のない分野での事業
頭のなかで、ちゃんと分かっていたのに、その対策を冷静にできていなかった。その準備にもっと時間をかけることができなかった。
「うまくいったらいいな」という”淡い期待”に負けて、やれるはずのことを対策できていなかった。
何かを新しく始めるのに、「うまくいかないこと」を想像しながら取り組むのは、とても苦しいです。楽しくないです。
誰だって、「うまくいく」という期待をしたいし、希望を持ちたい。
でも実際は、その希望は希望で置いておいて、うまくいかない現実を直視する胆力が必要なんだと思います。
と、頭の中では分かっているのですがね・・。「期待してしまう」気持ちを切り離して行動することが、いかに難しいかもヒシヒシと感じている3年目です。
これは避けては通れないジレンマか。