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【自営業・フリーランス向け】初案件の見積もり、何を基準にする?

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こんにちは、モルトです。

ここ数ヶ月の間でスタジオとして初めて、企業向けのサービスを受注いただくことができました。

しかもそれぞれが別々の内容で3案件!!嬉しい限りです。

 

何度か提案、打ち合わせをしていく中で、受注になりそう・・というタイミングで見積もり価格提示をしましたが

この価格決めにちょっと悩みました。というのも、相場感があって無いようなサービスであり一般的にもピンキリな価格である場合が多いためです。

 

ということで、今日は自営業やフリーランスで「初めて獲得できそうな案件の見積もり価格」について書きます。

同じ様な悩みを感じている方の参考になれば幸いです。

 

1.スタジオが受注したサービス

価格決めの話に入る前に、冒頭に書いたスタジオが受注したサービスを参考までに簡単に書きます。

  • エアリアルを使った組織活性化プログラム
  • 上記のプログラムをさらに発展させた新入社員向けの研修プログラム
  • 企業の全社員が参加するキックオフミーティングの企画(一部)

ざっくり言うと福利厚生や人材育成という括りになるサービスです。

こういうのって、一応相場っぽいものがあるのですが(社員一人当たりいくら、とか)、内容や受注会社によってやっぱりバラバラなんですよね。

 

そして少なくともエアリアルスタジオを運営している会社が新入社員研修とかキックオフミーティングの企画をやるのは絶対日本では初めて・・なはず!!

 

ということで、見積もり価格を決める際に考えた5つのアプローチを紹介します。

 

2.見積もり価格の決め方① ズバっと欲しい金額を言い値で

もういろいろ考えると面倒だし、ぶっちゃけこれくらい欲しいんだよね・・ってことで「全部込み込みで100万円!」

という、自分の欲しい金額をストレートに伝える方法です。

 

私は実績の無い案件でコレを言うだけの勇気がありませんが・・。

 

言い値で伝えた後に発注者にアレコレ質問させない「ある種の畏怖」や「無表情」を身に纏われている方は向いているかもしれません。

でもコレができたら面倒が無くて一番イイです、正直、ハイ。

 

注意点

一定の相場感があるサービスの場合、相場からあまりにも上振れた金額は一瞬で断られる可能性がある、もしくは仮に受注に至ったら期待値のハードルが上がる。

 

 

見積もり価格の決め方② 既知のサービスは相場価格を参考にする

これは言わずもがなかもしれませんが、ある程度世の中に認知されている一般的なサービスの場合、たいてい相場価格が存在します。

たとえば、スタジオで提供している個人向けのエアリアルフィットネスはこの方法を取っています。

 

この方法は発注者にとっても納得しやすい(比較しやすい)ので、合意を得やすいメリットがあります。

 

注意点

相場があるということは競合もいる、比較もされやすいということ。価格の見せ方を誤るとダンピング(値引き)競争になり疲弊するハメに

 

 

見積もり価格の決め方③ 現状かかる経費を軸に算出

現在提供しているサービスにかかる月額の経費(主に固定費)を月次の稼働日数で除して1日あたり(または1時間あたり)に回収すべき金額を算出、その金額に見込み工数を掛けます。そして算出された金額に変動費(実費)を追加します。

 

(たとえば毎月固定費が50万円、稼働日数25日の場合)

  • 一日あたりに回収すべき金額:50万円/25日=2万円
  • 見込み工数が5日の場合:2万円×5日=10万円

この場合10万円に変動費(実費)を足した金額が最低受注価格ということになります。

 

会社形態を取っていないフリーの方は月額の固定費をどう考えるのかに悩むと思いますが、家賃・光熱費(実家の方は自分が家に入れる金額)の他、通信費、食費、交通費など生活するのにかかる項目を対象に考えてみて下さい。

 

 

注意点

固定費に自分の給与を入れているかいないかで変わってくる。役員報酬などで事前に決めている方は考慮して計算。決めていない方は以下④と⑤を参考に。

 

 

見積もり価格の決め方④ サービス開発に費やした金額を参考にする

サービスを開発して提供するまでにかかった費用を基準に考える方法もあります。要は自分がこれまでにしてきた「投資」の回収です。

調査のために要した書籍やセミナーへの参加費、有識者への謝礼、移動の際の交通費、宣伝に要した費用などを全部合算して、どのくらいの期間(もしくは回数)で回収したいかを決めて、1回あたりに回収したい金額を出す方法です。

 

もちろん、上記に自分が稼働した金額を考慮するのをお忘れなく。その際、自分の時給ないし日給の判断軸が必要になりますが、その基準に迷うようであれば下記⑤もしくは平均労働賃金など参考となる指標を用いるのも良いと思います。

 

 

見積もり価格の決め方⑤ 前職の年収や月収から時給換算する

もし自営業を始める前やフリーランスになる前に会社員の経験のある方は、その時の年収額から時給換算してみてはいかがでしょうか。

 

(会社員時代の年収が500万円だった場合)

  • 会社員時代の日給:500万円/(365日ー年間休日日数120日)=2万408円
  • 時給換算:2万408円/10時間=2,040円

といった感じで。

 

現在提供しているサービスとそれまで雇われていた時の仕事が違う場合には、果たして同じ様に考えて良いものか・・と思う方もいるかもしれませんが、そこは割り切っていきましょう。

 

上記①〜⑤はどれか1つの方法またはそれぞれ検討して組み合わせても良いと思います。

私の場合、①と②を念頭におきつつ③を軸に決めました。インストラクター系の職種の場合は④を基点に考える方もいるようです。

 

 

その他、価格決定・提示に際して考慮した方が良い点を下記まとめます。

3.見積もる前に発注者の予算・納期確認は必須

まず最初に確認しておいた方がいいのが発注側の予算です。

 

発注者によって予算があるケース、無いケース両方ありますが、とにかく聞くだけ聞きましょう。具体的に「○~○○万円」と回答する方もいれば「あまり高い(予算)のはちょっと難しいです」と曖昧に回答する方もいます。

 

曖昧な場合に明確な金額を求めるかどうかは、発注者とのコミュニケーションによりますが、一旦それ以上は追求しなくてもいいと思います。ある程度自分の中で「案件価格の妥当性」を持ってない場合は、明確な金額を聞いたところで決められませんからね。

 

また納期によって自分の仕事の優先度が変わるので納期確認も必須です。

 

 

4.提示価格は2〜3割増しで

価格交渉でダンピング(値引き)があることも想定して、この価格で受注したいという金額に最低2〜3割くらいは上乗せして提示しましょう。

初案件の場合、とりあえず実績作りたいがためにに、価格交渉に慣れていないとうっかり大きな値引きをしてしまう可能性もあるかもしれません。サービスによっては受注後に予期せぬ事象が発生する場合もあるでしょう。

 

受注した後に「やっぱりこの金額じゃ無理・・」とならないようにしっかり乗っけましょう。

 

 

5.もし大幅なダンピング(値引き)を要求されたらどうするか

提示した価格が発注者側の想定を上回る場合は値引き要求がある場合もあります。その時にどこまで応じるべきか悩みますよね。

 

私の考えとしては「大幅な値引きには応じないもしくは「値引きされた金額でできることを提示する」のいずれかです。

 

初案件で見積もり根拠に悩みながら出した金額で、先方から「高い」と言われたら、つい値引きに応じてしまいそうになるかもしれませんが、少なくとも上記②~⑤で算出したのであれば価格に自信を持ちましょう。

 

目に見えないサービスや効果が予測しづらいサービスは、金額があって無いようなものです。だからこそ大幅な値引きはかえって「最初の金額は何だったのか」と、信用を失うと思います。少なくとも私が発注者だったら安易な値引きは「プライドが無いのか、その程度の仕事なのか」と疑念の目になります。

 

もし値引き後の金額でないと発注できない、と言われたら、その金額でできることを提示するか断る勇気を持ちましょう。

 

 

6.まとめ

いかがでしたか?

 

初めての案件、見積もり価格決定のまとめです。

  • 「言い値」「相場」「固定費回収」「投資回収」「(雇われてた時の)実績」を参考に
  • 価格決めの前に予算と納期確認は必須
  • 値引きに備えて提示価格に余裕を持つ
  • 大幅な値引きには応じない

 

最初の実績になるかも!と思うと、ついつい金額度外視でがんばりたくなります。

しかし、その実績はその後の指針にもなるので慎重に決めることが必要です。それに最初の案件というだけで、恐らく想定していた工数より多くの時間を投入することになる可能性も高い。なるべく良いものを提供したい、と思えばこそ絶対に力が入ると思います。

 

最初の実績をきっちり良いものにするためにも「これ安すぎた・・」と納品前にモチベーションが下がらないようにしっかり準備したいですね。

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(旧HNはモルト) 会社員を経て2016年より独立。エアリアルフィットネススタジオWeBA(ウィーバ)を運営。 これまで経験したこと、起業にまつわるアレコレ、日々の仕事、趣味など発信していきます。ブログについてはこちら