スタジオを作ってインストラクターをはじめてから約3年。
この3年のなかで文字通り、老若男女、7歳~70代にわたって600人近くの方と接してきました。
日々、お客さんに接して学んだこと、悩んだこと、気をつけていることなどを書いています。
教えることは教わること。
今回のテーマは、スポーツに必要な筋力を知る。
体験に来るお客さんのうち、ざっくり半数はスポーツ経験者もしくは現在も何かしらのスポーツを経験しているひとです。
スポーツ内容もメジャーなものからそうでないものまで幅広い。
そしてスポーツ経験者の体は何かしらの「クセ」が残っていることが多い。
たとえば水泳経験者は腹横筋が強かったり、肩回りがややしっかりしていたり。
野球をしているひとは右足と左足とでバランス感覚が全然違っていたり。
テコンドーや空手の経験者は股関節がほぐれやすかったり。
などなど、現在スポーツをしている人はもちろん、過去に何かやっていた人の体というのは何かしらの特徴があるものだなとつくづく実感します。
そして、600人近くのひとと接してくると初対面のひとでも体を最初に見たらその人が何をやっていたのか
もしくはふだんからどういうクセがあるのかは分かってくるようになるんですね。
これが分かってくると「〇〇で悩んでいる」というお客さんの質問にもアドバイスの幅が広がってくる。
また、体の動きや筋力の特徴を知ることもおもしろいなと思いますが、絶賛「力学」にハマっているわたしとしてはその原理原則まで分かるのことがとても学びになっています。
たとえば先日は、ロードバイクをしているという男性がストレッチのプログラムに来ました。
毎週必ず走っていてタイムも上げたい、そのために柔軟性を上げたいということでした。
ロードバイクでタイムを上げるというと、なんとなくわたしの中では競輪のような、太くて大きい筋肉の量を増やすものなのかなというイメージでしたが全然違いました。
長い距離を走りながらタイムを目指すので足の回転数を上げる必要がある。
そして重さは邪魔になるので、しなやかに動かせる筋肉を使って体全体はかなり軽くしていく必要があるそうです。
たしかに力のはたらきを考えたときには軽い力のほうが負担にならない。柔軟性が高いほうがちょっとしたスピード変化にも対応しやすい。
マラソンでいえば長距離型のタイプと似ているんですね。
わたしは大学では経済学部でしたしスポーツ科学について学び始めたのはスタジオ運営を始めてからです。
なのでまだまだ理論的な部分はキャッチアップの必要があります。
でも、お客さんと接することでスポーツに必要な筋力や原理原則を知って、調べて、学ぶ。
こういうサイクルができるのはとても良いことだなと感じています。
学んだことをお客さんへフィードバックすると想定していないレスポンスもあるので、つくづく教えることは教わることだなと実感しています。