インストラクターとしての学び

教えることは教わること:やる気が落ちたらどうするか

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スタジオを作ってインストラクターをはじめてから約3年。

この3年のなかで文字通り、老若男女、7歳~70代にわたって600人近くの方と接してきました。

日々、お客さんに接して学んだこと、悩んだこと、気をつけていることなどを書いています。

今回のテーマは、モチベーション。

お客さんのやる気が落ちたときに指導者はどう対応するのがよいのか。めちゃ悩みました。

 

 

インストラクターとしての学びの第1話で書いた、プライベートレッスンを受けている中学生の女の子

180度開脚を目指して日々、自宅でのトレーニングもがんばっていたのですが、少しだけモチベーションが落ちてしまったときがありました。

 

わたしのレッスンを受け始めて最初のうちは変化がすぐに表われていたこともあってモチベーションがとても高かったけど

開脚角度の広がりが以前ほどの伸びがなくなってくると、やっぱりちょっと気持ちが落ちてしまって自宅でのトレーニングがあまりできていないようでした。

 

ちなみに開脚角度の広がりが鈍化するのはわたしの中では想定内でした。いまの体の構造上、そうなると思っていたから。

また、彼女はウチのレッスン以外にもたくさんの習い事や塾で忙しく、体が疲れやすい感じだったのでいずれそういうときが来るだろうと思っていました。

 

そして、そのときが来たわけです。

さて、わたし、どうする??

 

 

「やるやらないは本人次第」というのはすべてのことにあてはまるとはいえ、個別指導のプライベートレッスンを請け負っている以上、ここは挫折せずに続けられるようにしなければ指導者としてはちょっと立つ瀬がない。

では、どうやって沈んだ気持ちを上げて自宅でのトレーニングも継続できるようにするか。

 

 

安易な励ましはきっと違うだろうし(口だけだと見透かされて終わるだけ)

「少し(続けるのを)休んでみよう」とアドバイスするのも違う(柔軟性は継続が命!)。

強気に怒るとか厳しいことを言ってみるというのも、人によってはそれで奮起する場合もあるけど彼女はそういうタイプではなさそう・・。

 

巷にはコーチングに関する本は山ほどあるので参考にするのもアリですが、そのときのわたしは十分に書物を読み込んでいる状態ではなかったしその時間もない。

 

とにかく今日のレッスンが終わるまでに、モチベーションの下がった彼女に何かしらのアクションをしなければならない。

気持ちが下がった状態のまま帰すわけにはいかない。

 

 

60分のレッスン中、あたまの片隅で必死に「どうしたらいいだろうか」を考えてわたしがしたことは

  • 今まで伝えていたトレーニングとは違うやり方のものを伝える、「180度開脚」のイメージをより持ちやすい体勢のトレーニング
  • わたし自身の経験を話す(180度に広がるまでには何度か停滞期があること)
  • 最終的には「自分がどうなりたいのか」をもう一度考えてもらう

この3つ。

 

一番目の、トレーニング方法の変更は目先の新しさで気持ちを切り替えられる効果があるので有効だと思います。でも対処療法でしかない。

真ん中の経験談は、賢い女の子なのですぐに伝えたことは理解しましたが「頭では分かっていても気持ちがついていかない」状態のままでは意味がない。

結局最後の「自分自身に向き合う」というのが一番大切だと考えています。

 

自分自身に向き合うためにどうしたらよいか、どうしてそれを考えるのがよいのか、という話を具体的にしました。

また、わたし自身も小学1年生から習っていたそろばんが、小学6年のときに成績が伸び悩んでしまい塾通いをサボっていた時期がありました。

そのときにサボることも嫌だったけど、でも気持ちも乗らないから塾にも行けない。そういうジレンマを抱えつつもなんとか克服して目標の段位まで取ることができたという経験を話しました。

 

 

よく「やる気を引き出す」という言葉をコーチングの世界では聞きますが、その「やる気」はまず自分自身の理想や目標があってこそだと思う。

理想や目標があいまいなままでは「やる気」を引き出しようがありません。

 

レッスンに来ていた女の子はその部分が少しあいまいになってしまっていて、その点はわたし自身の反省点でもあります。

もともと「開脚ができるようになりたい!」の背景には彼女が目標としている、ある事柄があったのですが

わたしも彼女も、おもしろいくらい変化していく開脚角度に一喜一憂してしまっていた。

つねにしっかりと目標と結びつけることの大切さを改めて実感しました。

 

 

その後、彼女はしっかりと気持ちを持ち直すことができたようで自宅でのトレーングもがんばっています。

本人も「(自宅で)やれば広がるしやらないと結果が出ない。非常にわかりやすい体だ」と話していたので、自分次第なんだということを、文字通り「身をもって」実感したようです。(とてもスマートで賢い学生さんなんです!)

 

そして開脚角度も停滞期を脱出してさらに広がるようになってきました。

たて開脚はもう少しで180度になりそう!

 

が!この数週間、広がりが鈍化してきているので、ふたたびドキドキしています。

ここを乗り越えれば180度に到達という段階。

 

さて、わたし、どうする??

気が抜けない日々が続きます(笑)がんばります!

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(旧HNはモルト) 会社員を経て2016年より独立。エアリアルフィットネススタジオWeBA(ウィーバ)を運営。 これまで経験したこと、起業にまつわるアレコレ、日々の仕事、趣味など発信していきます。ブログについてはこちら