インストラクターとしての学び

ひとに教えるコツ:勝手なことをする人

投稿日:2019年4月30日 更新日:

スタジオを作ってインストラクターをはじめてから約3年。

この3年のなかで文字通り、老若男女、7歳~70代にわたって600人近くの方と接してきました。

日々、お客さんに接して学んだこと、悩んだこと、気をつけていることなどを書いています。

今回のテーマは、勝手なことをする人。

 

滅多にいないけど、ほんとごくたまーに勝手に動いたりモノを触ったりするお客さんがいます。

子どもでも大人でも、男女関係なく。

レッスン中に突然教えていないことを始めてみたり、勝手な動きをしたり。

そういう場合、事前に対応を決めていないとそのときそのときで迷ってしまうので方針を決めています。

 

判断軸は2段階。

明らかに危ない動きでケガにつながるようなことをしている場合にはすぐに注意して止めます。

体が温まっていない段階で勢いよく体に力を加えるような行為だったり、マットを敷いていない状態で危ない技にチャレンジしたり。

そういう場合はすぐに声をかけます。

 

もし危険な行為ではないときには、お客さんが勝手にやりだしたことをレッスン中に取り入れられそうだったら取り入れる。

教えたやり方とは違うことを試しているのを見かけたら

「それ、やってみたいですか?」

「そういうやり方でもできますね」

と言いながら、レッスンに取り入れます。

そうしたほうがお客さん自身もイヤな気持ちにならないし、わたしにとってもレッスンの幅が広がるのでわりと前向きな対応だと思っています。

 

一方、レッスンとは関係ない行動、たとえばストレッチプログラムなのに筋トレっぽいことをやりだしたり、ティシューのレッスンなのにポールに触ったり

そういう場合はすぐに注意したりせずにちょっと間をおきます。

 

他のお客さんの動きを確認しながら、頃合いをみて

「〇〇さん、そろそろ先ほどの動きを復習しませんか?」

と声をかけるようにします。

そしてレッスンが終わったあとに

「今日、途中でやってた△△△のようなことはこちらのレッスンでできるのでぜひ」

と別のプログラムをオススメして終わります。

 

危ぶなくはない行動でもレッスンと全く関係ないことする人って、教える側にとっては本音でいえばちょっと面倒だなと思っています。

でも、なぜそういうことをするのかを考えたときになんとなく2つの理由がわかりました。

一つは、飽きっぽい。

これはそのまんま説明いらずです。集中力が続かなかったりとにかくすぐに飽きてしまったパターン。

 

もう一つは、ある意味「自尊心の維持」としての表れだと思っています。

レッスン中に教えたことがうまくできなかったり何度もチャレンジしても失敗してしまったりすると、そういう”失敗した自分”を補おうと

「できそうなこと」を見つけて「コレならできる」という行動に出る。

体力・筋力に自身がありそうな人ほど、できなかったときの行動として出ているように思います。(ディベートの場面でうまく反論できないと論点をすり替える人、みたいな?)

こちらのケースは、お客さん自身が「教えていないことを勝手にやっている」という感覚がない(無自覚)場合もあります。

 

 

飽きっぽいにしても自尊心の維持にしても、「それはダメです」と即座に言われることは相手にとっても気持ちのいいものではない。

本人にその自覚がなければなおのこと、「注意された」というイヤな気持ちが残ってしまうと思う。

こちらとしてもできれば「楽しかった」という気持ちで終わってほしいから、お客さんが不満に思うことは避けたい。

なので、本人が満足するまですこし時間を置いてから声をかけるようにしています。

 

 

どんな人が体験に来ても、一つでも多く「お!コレできた」という気持ちを味わってもらいたいので、なるべくわたしもやり方を工夫をできるように日々キャッチアップしています。

お客さんが想定外の行動に出ないようにレッスンすることができれば一番いいけど、そうはいかないこともたまーにある。

これも指導者としての訓練の一つですね。

 

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(旧HNはモルト) 会社員を経て2016年より独立。エアリアルフィットネススタジオWeBA(ウィーバ)を運営。 これまで経験したこと、起業にまつわるアレコレ、日々の仕事、趣味など発信していきます。ブログについてはこちら