スタジオの開業から3年が経ち、4年目に突入します。
開業当初はスタジオ運営に専念しようと考えていたのでインストラクターは他の方に任せる方針でしたが、始めてすぐにそれだけでは厳しいと判断して、2016年8月から自分もインストラクターとしてお客さんと接することになりました。
「ひとに教える」ということは会社員のときにもそれなりに経験がありますが、運動を教えるというのは初めての経験です。
戸惑うこともあったけど、この3年のなかで文字通り、老若男女、7歳~70代まで600人近くの方と接してまぁまぁ慣れてきた頃かな~と感じています。
そして、何よりもいちばん実感するのが「教えることは教わること」。ほんと、たくさんの学びがあります。
ということで、インストラクターとしての日々の”学び”をブログに書いていこうと思います。
わたしが体験から感じたことなので、教科書的な「インストラクターの役割」とか「必要なこと」とか、そういう類のものではありませんが、だれかの参考になれば幸いです。(これを書くに伴い、これまで使っていたハンドルネームもインストラクター名に変えました)
あと、内容の時系列はバラバラになると思います。
ちなみにnoteでもいくつか「インストラクターとしての学び」を書いているので良かったらこちらも読んでいただけると嬉しいです。
今回のテーマは「ハッタリ」、12歳の女の子にその深さを学びました
昨年の秋ごろから学生さんの個人レッスンを始めました。
きっかけは当時小学6年生の女の子が「開脚ができるようになりたい」と問い合わせて体験に来てくれたことです。
レッスンを開始してからは開脚だけでなく、ビールマンのポーズやY字バランス、体幹全体を鍛えることなども取り入れて、彼女の「これができるようになりたい!」をサポートをしています。
そして、先日のレッスンでの会話で
「あぁ、ハッタリって本当に大事だし必要だわ」
と、ものすごーく深く納得できるやりとりがありました。
彼女は芸能プロダクションにも所属していて日常的にいろいろなオーディションを受けたりしています。
最近受けたオーディションも選考が進んでいるようでレッスン中にたまたまその話題が出ました。
そのときに彼女のお母さんから
「とても体力もついてきたしこれなら自転車にも乗れるかな」
と、ひとこと。
「ん?」
と聞き返すと
「オーディションで自転車に乗れないのに乗れるって言っちゃったらしいんですよー」
と笑いながら話していました。
当人も
「いや、選考が進むと思ってなかったし」
と爆笑しながら話しています。
どうやら役柄の設定で自転車に乗るらしいのですが、「乗れますよね」と聞かれたときに思わず「はい」と言ってしまったらしいのです。
でも、自転車は幼い頃に練習したものの、それ以降乗る機会がなかったらしい。きっとたぶん乗れない。
なのでお母さんとしては「つぎの連休は自転車の練習をしないとと思っているけど、(そういう)場所がなくて・・」ということでした。
そんな話を聞くと、ついついわたしも試したくなってしまうというか「いや、これだけ体力とバランス感覚ついてたら大丈夫っしょ!!」という気持ちが出てしまい
「わたしの自転車をいま乗ってみません?隣の公園なら人もいないし安全だし」
と提案。
急きょ、レッスンは自転車講習会に切り替わりました!
最初こそ、こわごわした乗り方だったけど30分近く公園や路地で練習をした甲斐あってそれなりに乗りこなせていました。
あと1回やればすぐに慣れるレベル。さすが。
で、思ったのは。
できないかもしれなくても、できると言ってみる。
そうすると「できるためにはどうしたらよいか」ということを考えたり周りに話したり、とにかく何かしらの行動に変わる。
応援してくれるひとがいれば、結果的に必ずできるようになる。
そもそも「できなかったらどうしよう・・」という気持ちが生じる余地がない。行動するのみ。
これを12歳で実践している!
彼女はこうやって自分の能力を広げてきているのか、まじ、すごい!!!
「できます」と言ってしまえば
そのためにどうしたらいいか?と考えたり相談したり行動せざるを得ない
できなかったらどうしよう…という考えはなくなるので、やっぱハッタリ大事ということをオーディション慣れしてる学生さんから学んだ
そしてレッスンは自転車に乗る練習に急きょ切り替わった😅
— Chiaki/フィットネススタジオ運営 (@molt_warehouse) 2019年4月20日
いや、これまでも似たようなことはさんざん見聞きしたり、自分でも同じような経験を何度かしてきたので理解しているし実感もありますよ。
「できるできないじゃない、やるかやらないか」
ということばは誰しも一回は耳にしたこともあると思う。
ツイッターを開けばしょっちゅう誰かがこんなことをつぶやいているしね。
なんていうか自己研鑽とか初めての仕事を取るときのいわゆる代表例ですよね。
でも、12歳で実践しているひとは初めてだよ!
そういえば彼女が最初に体験に来たときも
「明日のオーディションでY字バランスをすることになって・・」
という話でした。(しかも明日って・・!)
そのときは確かにY字の高さには足りず、体もグラグラしていたので「できる」とは言いがたかったけれど
レッスン後にも
「こういう練習すればできるようになりますか?」
と積極的に質問してきて「熱心だなー」ととても印象に残る子でした。
結果的にオーディションではできなかったとしても、少なくともエントリーをしたからこそ「オーディションを受けるチャンス」は得られたわけです。
結果がどうであれ、誰もが経験できるわけではないチャンスを得ている。そこから何かを学ぶこともあるし何よりも”人とつながる機会”でもある。
その繰り返しはやがて確実に自分の財産になると思う。
いまはY字バランスもできているし。能力の幅、確実に広げてる!
いままで聞いてきた誰かの「ハッタリは大事」って話より、いちばん深く納得できる事例でした。
ひとは、こうやって能力を広げていく。自分を応援してくれるひとを増やしていくんだな、と。
いやー、すごいわ。ほんとに。子どものときからこれができるなんて!
と、感心している場合じゃないなと自分を思わず鼓舞したレッスンでした。
そして、気づけばわたしにとっても「自転車の乗り方」を初めて教えた経験でもあったわけで。まじか、わたしの経験の幅も広がってるじゃん!ありがとー!Kさん!
教えることは教わること。ハッタリは大事です。
みなさんもガンガン、カマしていきましょう!