私の運営しているスタジオはエアリアルフィットネス事業のためいろいろな方から
「ダイエットプログラムはないのですか?」
と聞かれます。
スタジオを覗いていく方や、体験いただいたお客様からも
「いい運動になりそう」「痩せそう」
と言う声をいただきます。
また、おかげさまでリピートしていただいてるお客様の中にも
体が徐々に締まってきてる方もいます。
ですが、
私はスタジオの宣伝に
「絶対痩せる」
「ダイエットならエアリアル」
という伝え方はしません。
キャッチコピーは
「面白くなきゃ、体は変わらない!」
楽しさ、面白さをアピールしています。
この表現は
「痩せる」「ダイエットになる」よりも曖昧であり、
伝え方も受け取り方もボンヤリしがちです。
当然、集客しやすさという観点からも
「絶対痩せる」と書いたほうがいいはず。
でも、書かない。
その理由を今回書いてみました。
ダイエットは食事コントロールが要
今まで運動していなかった人が始めれば、痩せていくと思います。
それはどのスポーツも同じです。
また、エアリアルフィットネスは全身を効率的に動かせるので、短い時間でも消費エネルギーは高いスポーツです。
そして、体重変動は食物の摂取カロリー(インプット)と消費エネルギーを促す日常動作、運動やトレーニング(アウトプット)のバランスで決まります。
- 食べる量は変えずに運動量を増やす
- 食べる量は減らして運動量は変えない
- 食べる量を減らして運動量は増やす
1よりも、2、3のほうが痩せます。
同じ成果をあげるなら3が一番時間がかからない。
食物の持つエネルギー分を消費するにはある程度の運動量が必要だし、
その労力よりもインプットを制限したり方がはるかに効率的だからです。
体のクセはなかなか直らない
そして、アウトプットである運動をやみくもに続けるだけでは、思うような結果にはなりません。
まず一人ひとり、体を動かす際のクセがあります。
例えば、立ち姿勢一つとっても、
- かかとに体重がかかる人
- 脚の外側に力が入りやすい人
- 前かがみな人
など。
運動による消費カロリーを上げるには
正しい姿勢で正しくストレッチや筋トレ、有酸素運動を行う必要があります。
しかし、なかなか、「正しい姿勢と正しい動き」を意識して実践するのは時間がかかります。
なぜなら、体に染み付いた長年のクセを数ヶ月で矯正できるほど簡単なことではないからです。
特に体は疲れを感じると長年積み重ねた習慣が勝ってしまうため、
負荷の高いトレーニングを続ければ続けるほど、正しい動し方を意識しなければならない。
これを軽視してトレーニングを続ければ、筋肉を痛める原因になります。
ダイエットに失敗した人の心理
さらに
「ダイエットできます!」
と打ち出して、いざ、結果が伴わなかったら、その人はどんな気持ちになるか。
- インストラクターの嘘つき、痩せると思ったのに金返せ、と思う
- こんなにがんばって運動しても全然痩せない、何でだろう、と落ち込む
どちらも本人にとってもスタジオにとっても嫌な気持ちには変わりありませんが、特に2は避けたいところです。
なぜなら、2のような方は自分に責任を向けがちで、できなかったことで自信を失う場合もあるからです。
あるいは、ダイエットが成功できなかったストレスで、
今まで以上に食べてしまいリバウンドする可能性も否めません。
体を動かす楽しさとは間逆の人を輩出してしまうことになる
私は、体を動かす楽しさや自分の体を知る面白さを伝えたくてエアリアルフィットネスを始めました。
「ダイエットできる」と謳い、お客さんがダイエットに失敗した時、
運動することの楽しさよりも辛さが記憶に残るので、再び何か運動を始める可能性は低くなると思います。
それは、私の想いとは間逆の人を生み出すことになり本意ではありません。
カネの問題ではない
ちなみに1に関連して、とあるスポーツ関連に従事する方からこんな話を聞きました。
「人は高額であればあるほど、それを購入した責任を自分に向ける」と。
つまり、
「こんなにがんばっているのに痩せなかったのは自分のせいだ」
と思うらしい。
だから、あまり返金トラブルを気にしなくて大丈夫、
という考えの方もいらっしゃるようです。
でも、全員がそうであるということは絶対ありえ無いし
仮にそういうことがなくても、運動することに後ろ向きになってしまう気持ちは変わらない。
私にとってカネの問題ではないな、と考えています。
食べることも体を動かすことも習慣を自然に変えて行くのが良い
リバウンドなく確実にダイエットを成功させたいなら、
食べる習慣、体を動かす習慣を無理のないように変えていくことが大事、と考えています。
体を動かすというのは、運動をするということではなく
- 歩き方
- 座る姿勢、立つ姿勢
- 荷物の持ち方
など、日常動作のことです。
体のつながりを意識して日常動作から全体的に体を動かせたら、
激しい運動をしなくても筋肉量を少しずつ増やし徐々に基礎代謝を上げられます。
急激に痩せるよりそのほうが良い。
日常動作で体全体を効率的に使えるように、体の動かし方、筋肉の使い方に多様性を取り入れてます。
必死な運動で急激に痩せるよりも、日常動作が太りにくい動きになった方が、長い目で見ると良いと思うので(*^^*)— スタジオWeBA(ウィーバ)@江東区大島 (@weba_contact) May 28, 2017
さらに、体重そのものではなく
筋肉量、脂肪、水分、骨量のバランスを重視してトレーニングするほうがキレイなラインになります。
人によっては、浮腫みが解消されただけで一週間くらいで数キロ落ちます。
でも、急激な運動によって水分が落ちただけで肝心の筋肉量が増える前に運動を止めればすぐに戻ります。
高額パーソナルトレーニングで有名なジムのCMには、腹筋は割れていても太ももや膝回りのぜい肉は落ちていない人も出てきますが
お腹の浮腫みは取れたけど下半身に移動しただけ、という可能性も否めません。
運動を始めれば「痩せるかも」という効果を期待するのが人の心理だと思います。
でも私が宣伝するとしたら、
「週1回継続したら痩せますよ、
半年で2キロくらいかな、人によるけど~」
となってしまう。。これだとさすがにお客さんは来ないですよね。笑
まとめ
以上のようなことをスタジオを始めたばかりの頃はあまり意識できてなくて
最近ようやく考えが整理できたので書いてみました。
痩せる、を商売にするか
楽しく運動する、をコンセプトにするかでアプローチは異なる。前者は分かりやすいし集客しやすいと思う。でも敢えてそうしない理由を今まではうまく表現できなかったけど、最近ようやく文章に落とせるくらい考えがまとまってきた。
焦らず考え続けるって大事だな— モルト/自営業 (@molt_warehouse) May 27, 2017
また、運動やトレーニングの楽しさや面白さを伝えたいのですが、
この一年で訴求はできてないので難しい課題です。
もっと割り切って経営できたらラクだろうし、自分でもちょっと正直過ぎてるな~、と思うのですが
なかなか変えていくことは難しいからこの先も苦労しそう。
おまけ
「絶対ダイエットできる」と言い切れないけど
- 体のクセを見て日頃何に気をつけたらよいか
- どういう風にトレーニングするのが良いのか
をアドバイスすることはできるので
スタジオでは、ダイエット相談窓口を作っています。
興味のある方はぜひ一度ご来店下さい!