こんにちは、モルトです。
先週、新卒採用の話題に触れました、今日はエントリーシートについて書きます。
「一人でがんばった系のネタはダメ」「まとめ役エピソードは埋もれる」
「激変系ネタは人事がウンザリしている」というアドバイスをネットで見かけるたびに、違和感を覚えるこの頃。
なお、私の採用経験は数年であり、いわゆるプロと言えるほどの年数を人事業務に割いてはいないので、あくまで私個人が感じたことを書きます。
エントリ―シートはスピードジャッジ
ESの記載内容がどのように判断されるかは、企業ごとの採用ステップや採用人数、方針によって異なるのは前提としても、「これを書いたらダメ」「これは刺さらないネタ」ということを、意識しすぎなくて良い、というのが私の考えです。
エントリーシートの位置づけは、だいたいが適性検査と同時、あるいは一次面接前のジャッジです。
学生に人気の企業であればあるほど、企業側に提出される数は膨大です。
さらに提出されたエントリーシートは、基本的に当日中にすべて読んでジャッジします。これは、学生が売り手市場であればあるほど、学生の取り合いになるため、スピード感を持っていないと結果的に他の企業に負けるからです。(採用業務は企業側も熾烈な取り合い競争です)
良いと思った学生は、たいていどの企業も良いと判断しているはずなので、
1日でも早く面接の案内を出します。
というわけで、とにかく限られた時間・人数ですべてのESを読んでジャッジしようと思うと、
だいたい1枚あたり(テーマ3つくらいだとしたら)3〜4分で読んで判断します。
相対評価は難しい、小手先のテクニックにとらわれるな
私自身も経験はあるので、確かに似たようなネタが続けば「またか」と思ったときもありますが、それだけで×をつけることはまずなく、ましてや他の学生と比較してどちらかを選ぶ、
ということはありませんでした。
合否基準は自社の採用方針に照らした絶対評価であり、無難に読める文章や内容であれば次のステップを早々に案内していました。
そもそも、エントリーシートの厳密な相対評価はできません。
提出は学生のタイミングであり、企業側が優秀な学生だけを面接したいと思っていたとしても、
ノロノロ相対評価なんてしていたら他の企業に出遅れるだけですし。まさに双方にとって、縁と運の世界。
書面だけで「会いたい」と思わせるのは相当高度なテクニックが必要であり、
しかもそれは読む側の資質や能力、性格によって評価は分かれます。会社説明会等で人事の人と接触できても、ESを読むのがその人とは限りません。
読む相手を想像して書く、ということは、よほど文章を書くことに慣れて能力に優れている学生でない限り、
不可能なことではないかと私は思います。
ならば、「他の学生と差をつけたい」とか「印象に残るような書き方をしたい」という小手先のことにとらわれるよりは、お題に沿って書きやすいことを書いて何度か推敲する。
もし可能であれば、学生ではない人に見てもらって「伝えたいことがお題に沿っているか、わかりやすいか」の視点でチェックを受ける、くらいで良いと思います。
リアルな会話で引いちゃう内容は、書面も同じ
ネタについてアドバイスするとしたら2点ほど。
・後続ステップの面接でも読まれる可能性があるので、書いた内容は覚えておく、深堀りしておく
・ネガティブ系や目にあまる破天荒系な話題、たとえば「うつ病を克服した」「海外で逮捕されかけたけど無実を証明できた」等の話題は避けたほうが良い。
こういうことを初対面の人に言われたらびっくりしますよね?
そういう話題はリアルでなくても書類でも受ける印象は一緒なので。
採用業務を経験すると、就活は、学生の方が圧倒的に情報弱者であることを実感します。エントリーシートにしても面接にしても、応募企業に対する対策が必要な面もありますが、過度に意識しすぎて自分らしさがなくなってしまっては最終的に良い結果に繋がらないです。書き方対策に過度に振り回されずに、がんばってほしいと思います。
では、今日はこの辺で。