今の仕事 開業後

実店舗運営は複業から始めよう

投稿日:2018年7月25日 更新日:

この記事は「フードサービスやサロンなど何らかの実店舗をこれから運営したい個人」向けの記事です。

潤沢な資金のある組織には当てはまらないかも、個人企業でお店を持ちたいという人の参考になればと思います。

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スタジオ運営が3年目に突入。

スタジオエリア周辺(江東区)の方に知れ渡るまでの期間や、なんとか資金を回さなねばならない状況になって思ったのが、「店舗を持つ人は複業開始が良さそう」ということです。

好きで始めた店舗運営は、絶対継続したほうがいい。でも継続するには資金が必要。
クラウドファンディングやスポンサーから潤沢な資金を得られるひとは専業でもいいと思います。
でも、私のようにせいぜい開業時の銀行融資という方法でしかお金を集められないひとは、複業スタートをおすすめします。

最初は専業スタートで、3ヶ月くらいしたら複業にするとかもアリ。

とにかく資金を切らさずにがんばって継続してほしいです。その理由も併せて書きます。

 

地元のひとに知れ渡る期間はどれくらいか

「店舗のあるエリアの人々にリピーターになってもらいたい」

店舗運営者はきっとこう思うひとが多いと思います。

店舗の内容が、飲食や美容院、ネイルサロン、薬局、マッサージなど、なんであれ、地元のひとに来てもらえたら嬉しいし、お店が街に溶け込んで軌道に乗るイメージを持てますよね。

では、その「近隣のひと」に知れ渡るまでにはどれくらいの時間が必要なのか。

私が思う答えは「年単位。5~7年くらい経ってようやく実感できるのではないか」です。あくまで私の感覚値ですが。

ただし例外があって、駅前や大通りに面した立地であれば別です。とくに駅周辺半径300m以内とかだったら1年経たずともかなり多くのひとに知ってもらえると思います。

 

明らかに人通りが多い立地でない場合は、かなり時間がかかると思います。

その理由は、こちらのnoteも参考にいただけたらと思いますが、自分自身に置き換えてみる一番わかり易いです。

ふだん通らない道を通ったのはいつですか?

 

たとえば

  • ふだん通る通勤経路や買い物の道
  • 利用する駅の改札や出口
  • 日用品を買うスーパーやドラッグストア

こうしたことについて、わりと毎日、毎回同じではないでしょうか?

変えることがあったとしても頻度としてはかなり低いのではないかな。

ちなみに私は、ふだん利用する駅の改札と反対側の改札は1年以上利用していません。そちらの出口側の街並みの変化を知らないです。

 

スタジオを運営していて気づいたのは、年々「こういう場所があるとは知らなかった!」という声が増えてくること。

つまり、ふだん通る道を変えるひとはあまりいない。何かたまたま用事があったから、という理由がない限り、ひとはふだんの習慣経路を変えることはほとんど無いと思います。

仮に、気が向いて「たまには違う道を通ってみよう」と思った人がいたとしても、そのとき目に入る情報の全てが、そのひとの認知になるとは限りません。
「たまたま」店の前を通っても、必要のない情報は目に入らないので認知されないことも多いと思います。

 

 

ポスティングや折込チラシは有効か?

ならば、折込チラシとかポスティングで認知を促すのはどうなのでしょうか。

あくまで私の感覚ですが、ポスティングにしろ折込にしろ、相当の部数をある程度長期に渡って実施するのであれば全体的な認知度は上がると思います。

私が実施した部数は、予算をあまり費やせなかったので本当に少ないし単発を数回で終わりました。

業者ポスティング・セルフポスティング、比べてみました

しっかりやるなら、最低4~6ヶ月連続で、年1回は必ず実施。部数も2,3万部くらいはないと難しそう。
そうなるとかなり資金も必要ですよね。私にはその体力がなかったので中途半端な部数や回数で折込を使うことは止めました。

 

そして、ひとの記憶の曖昧さ、というのも忘れてはならないと思っています。
チラシを目にしていたとしてもその時に必要ではない情報はどんどん記憶から削除されるし、
チラシを過去に見ていても「こんな場所があるとは知らなかった」と、ひとはいいます。

これも自分自身に置き換えるとわかりやすいですよね。
最近ポストに入っていてゴミ箱に捨てたチラシの内容を、店舗名を、場所を覚えてますか?と聞いたら、どれくらいのひとが答えられるでしょうか。

ひとの記憶というのはそういうものだと思います。

 

 

継続する理由

認知されるまで時間がかかるけど、冒頭にも書いたけど、好きで始めたお店ならとにかくがんばってつづけて欲しいと思います。

ありきたりな言葉ですが、継続することは経験値を積み重ねる投資。もちろん、同時にリスクでもあるけど。

 

いまスタジオに来ていただいているお客さんの半分は、開業前の事業計画には表われていなかったお客さん層です。

継続することは、自分の想像を超えたニーズをつかむチャンスがある、発見がある。

事業を変えるなり方向性を変えるにしても

  • 自分で考えることには限界があること
  • サービスは売り続けてみないと、どんなニーズが多いのか(お金になるのか)は分からないこと
  • 知らなかったことを発見できたことで新たなアプローチが生まれること

これらのことを分かったうえで続けるか、変えるか、いっそ止めるのかを判断をするのと、知らないままに判断するのとでは結論は変わります。

 

 

まとめ

私はいきなりスタジオだけのスタートで結果的には失敗だったということになるけど、全ての時間をつぎ込むということを一度経験できたことは良かった。

そのことはこちらの記事の後半にも書いていて、物件を探せたのはやっぱり専念できた時間があったからだと思っています。

まとまった資金を外で稼ぐことにした(起業3年目)

 

でも資金を考えたら、複業スタートがいいし、ある程度様子を見てからでも早めに複業を開始したほうが絶対いい。

複業にすることで本業にかける営業活動は減るし、そもそも事業として成り立つのか云々を考えると弱気になる気持ちも避けられない。ひとからもアレコレ言われるだろうし。

でも自分が許容できるまでがんばればいい。

 

これから店舗を持つひとの参考になれば幸いです。

 

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(旧HNはモルト) 会社員を経て2016年より独立。エアリアルフィットネススタジオWeBA(ウィーバ)を運営。 これまで経験したこと、起業にまつわるアレコレ、日々の仕事、趣味など発信していきます。ブログについてはこちら