ゴールデンエイジ期は多様なトレーニングで基礎力アップ!(小2/フィギュアスケート)

今年(2021年)の2月からフィギュアスケートを習っている8歳の女の子(Rさん)が体幹トレーニングに参加しています!

筋力アップと柔軟性向上の両方が課題ですが、現在のパフォーマンスの様子や8歳という年齢を考えると、まずは基礎体力アップを第一優先に考えて、7:3くらいの割合で筋力アップを目的としたトレーニングを多めに取り入れています。

ゴールデンエイジ期には多様な動きを取り入れるほうがメリットが多い

スポーツの世界では、だいたい5-8歳くらいまでをプレ・ゴールデンエイジ、9-12歳くらいをゴールデンエイジ期という属性に分けて子どもの体力を考えます。

なぜゴールデンエイジと呼ばれるかというと、9-12歳にかけて神経系の発達が完成に近づいて、プラス体力もある程度備わってくるこの2~3年の期間だけ、むずかしい体の動きを即座に習得できる期間だからという理由です。

もう少し詳しく解説すると、下記は「スキャモンの発育曲線」と呼ばれる、身体のいろいろな組織や器官の発育の様子を一般型、リンパ系型、神経型、生殖型の4つに分類して表したもの。(参考文献に掲載されているグラフを参考に当方にて再作成)

1930年代に発表された模式図ですが、今でも発育の概要を理解するうえでは有効なものなので、どこかで目にした人もいらしゃると思います。

この発育曲線によれば、身体の動きを司る運動神経は青いラインの「神経型」に該当します。そして、発達がほぼ100%に達する10歳前後までにトレーニングや運動経験によって一度神経経路(パターン)が作られると、そのあとに繰り返し練習などしなくても、一度覚えた動きは忘れにくいとされています。

つまり、ゴールデンエイジ期は運動やスポーツの基本動作やスキルを習得しておくのにとても最適な時期です。

なお、肺活量などの心肺機能や骨格筋は一般型に分類されるので、12歳以降に急激に発達していくようです。

ちなみにアメリカのスポーツ事情ではこういったこともあるそうです。

少年期に他種目を経験させると巧緻性が高まるという考えが浸透しているアメリカでは、春から夏は野球と水泳を、秋から冬にはフットボールとバスケットボールというように、小学生は4種類以上のスポーツを行うのが普通である。それが中学段階で3つになり、高校で2つ、大学で2つかひとつというように徐々に絞っていく。プロ野球とプロフットボールの両方を並行して行う選手がいるのも、そのような背景からである。

(「はじめて学ぶ健康・スポーツ科学シリーズ5 体力学 6章 子どもに必要な運動神経」 中谷敏昭編 化学同人社より引用)

ということで、Rさんのトレーニングも1回ごとの負荷はやや軽め・回数少なめにして、とにかくたくさんの種類の動きができるトレーニングをしています。

その一例はコチラ。

動画もあります!

自宅トレーニングも毎週内容を変えて飽きずに無理なく継続

本格的にフィギュアスケートを習っている子は週6は練習をしているので、結構な体力の消耗があると思われます。

練習時間も朝早かったり、夜遅かったりとバラバラ・・。

なので、自宅トレーニングはあくまでも「無理のない範囲」での継続を目指しています。

しっかり記録もできている!

よく見ていただくと分かると思いますが、必ず毎日同じ時間・同じ回数をやるわけではなく、できるときに可能な回数を実施、疲れているときには休むように指導しています。

重力や重心の解説を取り入れて理論も習得

Rさんはものごとの理屈、「なぜそうなのか」という理論を知ることもとても好きそうなので、トレーニングのときには重力や重心についてもしっかり解説をしていきます。

力は目に見えないし、概念としてとらえるのはとてもむずかしいものですが、身体で感じることはできる。

この、”概念を体で感じる感覚”と理屈が頭の中で一致してくると、自分で筋力を動かす・意識することがだんだんできるようになってくるので、興味がある児童には解説もしています。

いや~、これに関しては、実際のところわたしがいちばん鍛えられている気がする(^^;

頭でわかっていても、誰かに説明する段階でうまく伝えられないのはどこかで理解が不足している証拠ですからね。わたしも日々、勉強です。

ちなみにRさんは、初めてティシューでいくつかトレーニングをしたときに「これは(人によって)高さを変えられるのがメリットですね」と8歳らしからぬコメントがあってとてもびっくりしました!

そういうことに気づくことも、気づいたことを率直に伝える能力もすごい・・!

あと、”脚”をちゃんと「あし」と読めた上で「脚と足は何が違うのか?」と質問してきたり、スタジオにあるフランク(人体模型)を見て「ここの骨は大腿骨」と答えたり、いろいろな分野への興味・関心が強く、習得しているようです。

ということで、筋力だけでなく神経系の発達・理論の実践も含めてしっかりサポートしています!

★余談★

児童向けの物理や力学を解説する本をお探しの方は、こちらがおすすめです。

かなり古い本なので書店に並んでいる可能性は限りなく低いと思うので、お近くの図書館で問い合わせてみてください。

「卵のかたちから 強さと美しさ(岡野薫子著/大日本図書)」

【参考文献】

  • 中谷敏昭編「はじめて学ぶ健康・スポーツ科学シリーズ5 体力学」化学同人社
  • G.Gregory Haff , N.Travis Triplett編 篠田邦彦・総監修「NSCA決定版 第4版 ストレングストレーニング&コンディショニング」ブックハウスHD
  • 公益財団法人 日本スポーツ協会「コーチングアシスタントテキスト Reference Book」

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