ジャンプやスピンでブレない体軸を作る!(児童パーソナルトレ:小2/フィギュアスケート)

2021年の11月からフィギュアスケートを習っている男の子(Lさん、小2)が、パーソナルトレーニングで体幹強化と柔軟性向上に励んでいます。

目標は、アクセルジャンプやキャメルスピン・シットスピンなど、スケーティングスキル全般に必要となる”ブレない体軸”を作ること、股関節をはじめ下半身や肩関節まわりの柔軟性向上です。

フィギュアスケートに限らず運動はなんでも好きということもあって、いかにもスポーツ万能そうな男の子の体躯です。

ですが、股関節まわりはすこし硬く、骨盤がやや後傾気味なので開脚はちょっとつらそう・・。

ということで、柔軟性も同時にアップできるトレーニング内容にしています。

 

重点強化ポイント①体の軸の感覚をつかむ、体軸ってなに?

それぞれのスポーツの監督やコーチからはよく「体の軸がブレている!」「軸をしっかりさせなさい」という指摘を受けると思うのですが、この「体の軸」がそもそもわかっていないと対処ができない。

ほかの記事でも何度か書いていますが、「体の軸」の感覚をつかむというのは本当にとっってもむずかしいと思う。

ちなみに「体軸」をGoogle検索すると、用語として明確に定義された文章は上位には出てこないようです。トレーニング指導者やスポーツコーチがそれぞれに解釈して使っていると思われます。

なので、ひとによっては「体幹」や「重心」とほぼ同義につかっていたりする人もいらっしゃるようです。

わたしはというと、基本的には解剖学的立位肢位に基づいて、体軸は垂直軸、水平軸、矢状軸(しじょうじく)のいずれか、または総合したものと捉えています。(細かいことですが運動軸と基本面(矢状面・前額面・水平面)は定義が異なるので混同しないようにご注意ください)

身体の運動軸

  • 垂直軸・・身体を上下に走る線である。縦軸あるいは長軸ともいう。
  • 水平軸・・垂直軸に対して直角で、身体を左右に走る線である。横軸ともいう。
  • 矢状軸・・縦軸と横軸に直交し、身体を前後に走る線である。前後軸ともいう。

宮本省三ほか『人間の運動学 ヒューマン・キネシオロジー』(2016)協同医書出版社

 

そして、体軸を感じるには身体の中心となる「重心」を理解することももちろん必要となるので、まずは重心を意識できるようなトレーニングをLさんも実施しています。

 

当スタジオの写真ではよく見るこのポーズは「重心」を感じとりやすい代表格のトレーニング。

写真だけだと伝わりづらいのですが、お腹にしっかり力をいれてお尻を後ろに出さないよう、手や足の位置を同じ高さにしないとかなりグラグラ揺れます。

お尻をうしろに出さないようにするのは「矢状軸」での中心がズレないように、手や足の位置は「水平軸」においてそれぞれがズレないようにすることで体軸を安定させます。

 

そしてもうひとつが、主にお腹を”点”で支える体勢の飛行機のようなポーズ。

Lさん的には「スーパーマン」の印象のようで、スーパーマンさながら”右手は拳で前に出して左手は腰、飛んでいるポーズ”にしたいようです。

これは両手も両足も同じ位置にしてピタっと止まれるほうがトレーニングになるのですが、低学年の場合にはまずは「関心を持ってもらう」「やってみたい」という動機づけが重要なので本人の希望を可能な限り取り入れながら他のエクササイズと組み合わせるなど対応しています。

 

重点強化ポイント②足首の柔軟性アップ

2つ目の強化ポイントは下半身の柔軟性のうち、まずは足首。シットスピンの体勢は体幹も重要ですが足首の柔軟性も必要となるので重点的に強化しています。

1990年くらいまでだったら和式トイレの利用で自然に鍛えられていた足首も、時代とともに日常生活では鍛えるのがむずかしくなってきた部分だと思います。

これはポールとティシューを使って、まずはシットの体勢に慣れる。

そしてポールを持って座った体勢から手を離す。

ちなみに自宅トレーニングでは、壁を使った足首ストレッチです。

足首の柔軟性向上が目的なので、背中やおしり、手のひらなどはすべて壁につけて負荷を軽くしています。

低学年のトレーニングについてはこちらの記事で注意点などを記載しています。興味あるひとはぜひご覧ください。

 

重点強化ポイント③股関節・肩関節の柔軟性アップ!

そして3つ目のポイントは股関節・肩関節の柔軟性アップです。

これも正確にいうと、Lさんの股関節は柔軟性の向上が必要ですが肩関節については決して硬いわけではなく、どちらかというと「肩や肩甲骨を動かす感覚を磨く」というのが主目的です。

各種スピンでしなやかにキレイな動きにみせるためには股関節の可動域はあったほうが良いと思いますし、肩を動かす感覚は、アクセルジャンプなどで身体を瞬間的に締めるときに必要になってくる感覚と思います。

 

股関節の可動域を上げるためには、まずは骨盤まわりの筋肉を柔らかくして後傾からまっすぐに立てられるようにするトレーニングをしています。

今年の春には大会やバッジテストも控えているそうなので、それまでにしっかりとフィジカルを強化できるようにがんばっています。

 

★フィギュアスケートのジャンプの解説はこちら

 

★他の受講者についてはこちらの記事も参考にしてみてください

 

こちらもぜひ参考にしてね

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